ママ必見!身近な食品に含まれる「トランス脂肪酸」の危険性とは

2015/10/20

食の安全が社会問題になっている昨今。原産国や産地、添加物の有無などをこれまで以上に厳しくチェックしている人も多いのではないでしょうか。

そこで思い出されるのが、「狂った油」「食べるプラスチック」などと言われた「トランス脂肪酸」。植物性の油脂を加工する過程で発生するこの脂肪酸を、米FDA(食品医薬品局)では、健康リスクが高まることを理由に、トランス脂肪酸を含む食品の使用を2018年以降、条件付きで制限することを発表しました。

ところが、日本ではトランス脂肪酸について明確な規制はありません。日常で使っている化学調味料や加工食品に含まれていることもあり、知らず知らずのうちに口にしてしまっていることも......。トランス脂肪酸の危険性や、添加物について考えてみましょう。

トランス脂肪酸とは?

トランス脂肪酸とは、油脂を構成する脂肪酸のひとつです。天然の食品中に含まれているものと、油脂を加工する過程で作られる人工のものがあります。

牛や羊は、胃の中の微生物の働きにより、自然にトランス脂肪酸を作っています。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中には微量ではありますが、天然のトランス脂肪酸が含まれていることになります。

牛脂のように、天然の動物の油脂は温度が低くなると白く固まりますが、植物油はサラサラとして固まりにくいため、水素を加えて加工する必要があります。

こうして作られるのがマーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの添加物を含んだ油脂です。原料となる植物油の原子が加工の段階で結びつきが変わり、トランス脂肪酸が生成されます。健康リスクを高めると懸念されているのは、この、人工的に作られた油脂です。

体にはどんな影響があるの?

トランス脂肪酸を含むマーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの食品は、化学物質を使ってむりやり固めるため、体内で分解されにくい特徴があります。分解するためには大量のビタミンやミネラル、消化酵素を必要とし、体に負担をかけることに。

また、トランス脂肪酸の過剰摂取は、体内の悪玉コレステロールを増やすため、心臓疾患や肥満、骨の発達不全、不妊症などのリスクを高める危険性があると考えられています。

とは言え、トランス脂肪酸がもたらす健康リスクのデータは、食生活の内容からトランス脂肪酸の摂取量が多い欧米人を対象としたものがほとんどです。日本人の場合でも同じ影響があるかは解明されていません。

しかし、食の欧米化が進む現代社会において、アメリカがトランス脂肪酸の食品使用を制限した事実は無視できないと言えるのではないでしょうか。

リスク回避のカギは「良い油」を摂ること

食用油をはじめ、食品に含まれる油脂は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類され、トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸(天然の油脂)から飽和脂肪酸(マーガリンやファットスプレッド、ショートニング)を製造する過程で生じます。

トランス脂肪酸の過剰摂取を防ぐためには、手作りや無添加の調味料を使うことが基本となります。脂質は三大栄養素のひとつであり、トランス脂肪酸を避けるばかりに脂質をまったく摂らないようでは、これもまた健康リスクを高めることに。

そこでおすすめなのが、α-リノレン酸、EPA・DHA、オレイン酸が含まれた「良い油を積極的に摂ることです。それぞれの特徴をみていきましょう。

  • α-リノレン酸
    血をサラサラにしたり、高血圧予防、脂肪の蓄積を抑制したりすると言われています。代表的なものに亜麻仁油やエゴマ油があります。
  • EPA・DHA
    サバやイワシなどの青魚に多く含まれる脂質です。EPAにはコレステロールや中性脂肪を減らす作用が。DHAは血液の流れを良くし、脳の働きを活性化させる働きがあります。
  • オレイン酸
    動脈硬化の予防や悪玉コレステロールの低減、肌にうるおいを与えます。オリーブオイルやキャノーラ油に含まれています。

世界保健機関(WHO)は、「トランス脂肪酸量は総エネルギー摂取量の1%未満とすべき」と勧告しています。これに対し、日本の食品安全委員会が国民栄養・健康調査のデータを基に推定した結果では、日本人のトランス脂肪酸摂取量の平均値は、男性で総エネルギー摂取量の0.30%、女性で0.33%。WHOの目標値である1%を大きく下回っていることがわかっています。

このように、トランス脂肪酸においては、過剰に反応すべきではないと言えますが、油の種類を変えるだけでも健康へのリスクは低減することができます。

家族の健康は毎日の食事に起因するため、主婦としては食材選びや添加物には気をつけたいところ。正しい知識で安全・安心な食事づくりを心掛けましょう。

[ 参考 ]